特集 膠原病研究 アップデート
Ⅳ.多発性筋炎・皮膚筋炎
木村直樹
1
,
上阪等
2
Naoki Kimura
1
,
Hitoshi Kohsaka
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学教授
pp.1722-1730
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201512036
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
多発性筋炎のマウスモデルであるC蛋白誘導性筋炎の病態解析により,自己免疫性筋炎の発症には,自己反応性CD8 陽性T細胞の活性化と,標的筋組織の自然免疫活性化の両方が重要であることが明らかとなった。筆者らはこれを自己免疫疾患におけるseed and soil modelとして提唱している。過剰な運動負荷やウイルス感染が多発性筋炎・皮膚筋炎発症の誘因となるとされているが,これらに共通して起きる筋傷害・再生が局所の自然免疫活性化をもたらし,自己免疫性筋炎の発症・再燃を促進することがマウスモデルの解析で示された。