特集 色々なアレルギー疾患における最近の進歩
III.皮膚科 2.コリン性蕁麻疹の発症メカニズム
戸倉新樹
1
1浜松医科大学皮膚科学教授
pp.1575-1583
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201511083
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
コリン性蕁麻疹は,恐らく我が国に多い疾患で,アセチルコリン(Ach)によって誘導されるためにこの疾患名がついている。そのメカニズムに関して,Achの直接作用によって肥満細胞が脱顆粒し点状膨疹を生じる機序と,Achによって発汗が促され,汗管閉塞などにより汗が真皮に漏れ出し,汗アレルギーによって膨疹が形成される間接機序とが考えられる。前者機序の代表が,減汗性コリン性蕁麻疹であり,汗アレルギーがなく,汗腺上皮細胞のAch受容体発現が低下している。