特集 色々なアレルギー疾患における最近の進歩
III.皮膚科 1.アトピー性皮膚炎の発症メカニズムにおける新たな展開
室田浩之
1
1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室准教授
pp.1568-1574
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201511076
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アトピー性皮膚炎では遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合うことで皮膚バリア機能と免疫応答に異常が生じ,その結果慢性炎症を生じる皮膚疾患である。病態の解釈は徐々に改められつつある。遺伝的研究は病態に関連する遺伝子を明らかにすることで診断・治療に有用な情報を提供している。解剖学的な皮膚の特徴からは角層と表皮のそれぞれのバリア機能の重要性が明らかにされ,皮膚バリア異常と免疫学的変調との間の関係が解明されつつある。ここではアトピー性皮膚炎の発症に関わるメカニズムの最近の話題をご紹介したい。