特集 気道炎症の評価
II.耳鼻咽喉科 3.上気道におけるぺリオスチンと好酸球その臨床的意義
太田伸男
1
Nobuo Ohta
1
1山形市立病院済生館耳鼻いんこう科科長
pp.1408-1413
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510070
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ペリオスチンは分子量が約90 kDaの細胞外マトリックスタンパクで,主として線維芽細胞より産生・分泌される。TGF-βやIL-4/IL-13によって誘導されるペリオスチンは気管支喘息の病態において重要な役割を果たしていることが報告されている。このペリオスチンは,上気道好酸球性疾患であるアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの鼻粘膜で過剰に発現し,上気道の粘液過剰分泌,線維化や肥厚など炎症の重症化や遷延化に関与している可能性があることが示唆された。ペリオスチンは,上気道好酸球性炎症のバイオマーカーおよび治療標的分子となる可能性が期待される。