特集 気道炎症の評価
II.耳鼻咽喉科 4.IL-17:バイオマーカーとしての可能性
岡野光博
1
Mitsuhiro Okano
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学准教授
pp.1414-1419
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510076
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
IL-17(IL-17A)は好中球の活性化や線維化など多彩な機能を有し,慢性炎症に関与するサイトカインである。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎など上気道炎症においても局所好酸球浸潤や症状の重症化などに関連する。特にアレルギー性鼻炎患者では健常人に比べ血清中のIL-17濃度が高値を示す報告が多く,さらに舌下免疫療法などの根治的治療によって血清IL-17濃度が低下する知見が集積しつつある。すなわち,血清IL-17濃度がアレルギー性鼻炎の病態や治療効果を反映するバイオマーカーとなりうる可能性が示唆される。