ここまで進んだ! びまん性肺疾患の診断と治療
間質性肺炎におけるぺリオスチン オーダーメイド治療に向けて
岡元 昌樹
1
,
田尻 守拡
,
中村 雅之
,
真玉 豪士
,
星野 友昭
1久留米大学 医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病部門(第一内科)
キーワード:
生物学的マーカー
,
喘息
,
免疫組織化学
,
オーダーメイド医療
,
肺線維症-特発性
,
Periostin
Keyword:
Asthma
,
Immunohistochemistry
,
Biomarkers
,
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
,
Precision Medicine
,
POSTN Protein, Human
pp.281-285
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016110050
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最近,特発性肺線維症(IPF)の治療のパラダイムシフトが起き,新規抗線維化薬が開発されている.マトリセルラー蛋白のぺリオスチンは,IL-13,IL-4の刺激で線維芽細胞から産生される.われわれは,bleomycin肺傷害モデルの肺線維化に,ぺリオスチンが関与することを証明した.ぺリオスチンは,IPFの肺組織の線維化病変で発現増加し,血清蛋白も増加していた.ぺリオスチンは,IPFの呼吸機能の経時的低下や長期予後の予測因子であり,その性能はKL-6よりも優れていた.さらに,従来のシステムよりも間質性肺炎に特異的な新規ELISAシステムを構築し,多施設性能試験を行っている.ぺリオスチンは,今後次々と登場するであろう新規抗線維化薬によるオーダーメイド治療のバイオマーカーとなりうる.
©Nankodo Co., Ltd., 2016