特集 原発性免疫不全症候群 アップデート
I.原発性免疫不全症:総論
谷内江昭宏
1
Akihiro Yachie
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系小児科主任教授
pp.1172-1178
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201509012
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原発性免疫不全症は免疫系に関わる細胞の分化障害や機能分子の欠損により発症する。その多くは原因遺伝子が明らかにされており,現時点では200以上の疾患が知られている。従来は繰り返す重症感染症や難治性感染症などの“易感染性”が免疫不全を疑う契機となっていた。しかし,原発性免疫不全症の多くが自己免疫疾患を合併すること,自己炎症性疾患の多くが炎症制御に関わる分子の異常により発症することが明らかにされるにつれて,より包括的な疾患理解が必要とされるようになってきた。