特集 職業アレルギーと職業・環境関連免疫異常疾患
II.高濃度化学物質曝露に起因する中毒性疾患 1.インジウムの健康影響
田中昭代
1
,
平田美由紀
2
,
中野真規子
3
,
大前和幸
4
Akiyo Tanaka
1
,
Miyuki Hirata
2
,
Makiko Nakano
3
,
Kazuyuki Omae
4
1九州大学大学院医学研究院環境医学分野 講師
2九州大学大学院医学研究院環境医学分野 助教
3慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 講師
4慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授
pp.925-932
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201507017
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2001年にインジウム・スズ酸化物(Indium-tin oxide:ITO)の微粒子の吸入による間質性肺炎死亡例が世界で初めて我が国で発生し,インジウムによる健康影響が注目される契機となった。動物実験においてインジウム化合物の肺障害性と肺発がん性が認められ,インジウム作業者の一連の疫学研究からインジウム化合物粉じんの吸入によって間質性肺障害が惹起されることが明らかになり,職業病である「インジウム曝露による肺障害(インジウム肺)」の因果関係が確立した。