特集 喘息とCOPDのオーバーラップ症候群(ACOS)をめぐって
III.病態・生理 1.喘息からみたACOS
鈴木慎太郎
1
,
相良博典
2
Shintaro Suzuki
1
,
Hironori Sagara
2
1昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学 助教
2昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学 教授
pp.508-518
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201504030
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喘息が重症化し気道のリモデリングが生じると可逆性の乏しい気流閉塞を認め,好中球性炎症が高まるなどACOSに近似した病態を示す。ACOSはこれまで主にCOPDの一亜型として目され,研究や議論が進んできた背景があり,喘息の側から語られることは比較的少なかった。治療としてはICSの併用薬として,気管支拡張薬やマクロライド系抗菌薬に対する期待が寄せられている。ACOSは喘息単独の患者よりも予後が不良であり,喘息患者が将来ACOSに移行するリスクを探るための更なる研究,検討が望まれる。