特集 アレルギー疾患治療の有効性評価
IV.皮膚科 2.アトピー性皮膚炎治療の有効性評価:血液バイオマーカー(TARC)からの評価
片岡葉子
1
Yoko Kataoka
1
1大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター皮膚科主任部長
pp.290-298
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201502094
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アトピー性皮膚炎の治療の有効性を的確に評価することは,日常診療,介入研究のいずれにおいても不可欠の要素である。2008年から保険適用となった疾患活動性を鋭敏に反映する血清バイオマーカーであるTARCは,従来の皮膚症状のみの評価に比し,客観性に優れ,病態やアドヒアランスも加味した評価が可能である。また近年長期寛解維持を目指す外用療法としてエビデンスの確認されたproactive療法を正確に行うために,subclinicalな炎症の有無を推測できるTARCを評価指標とすることの意義を寛解導入期,寛解維持期に分けて筆者の経験をもとに解説した。臨床症状,QOLに血清バイオマーカーとしてのTARCを加えることで精度の高い有効性評価が可能となる。