特集 アレルギー疾患治療の有効性評価
III.耳鼻科 1.小児アレルギー性鼻炎治療の臨床症状からの評価
太田伸男
1
Nobuo Ohta
1
1山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頚部外科准教授
pp.258-266
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201502062
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小児アレルギー性鼻炎の症状は成人と大きく異なる。就学後の児童の症状は成人と同様であるが,就学前児童や乳幼児では症状も男女比も成人とは大きく異なる。低年齢児のアレルギー性鼻炎は男児に多く,成人に近づくほど女児が増加する。成人ではくしゃみ・鼻水・鼻閉が主症状であるが,就学前の幼少児では鼻の掻痒感が最も多い。また,小児はアレルギー性鼻炎に伴う少量の鼻汁でも鼻閉が生じやすく,いびきや無呼吸など睡眠時の呼吸に影響が生じる。小児アレルギー性鼻炎の症状は多彩であることを念頭に置き問診を進め,的確に診断することが重要である。また,くしゃみ・鼻漏型か鼻閉・充全型なのか病型と重症度に応じた薬物選択が必要となる。さらに,気管支喘息,アトピー性皮膚炎,慢性副鼻腔炎などを合併していることも多く,その治療にあたっては併用薬にも注意する必要がある。