原著
スギ花粉症に対するプランルカスト(オノン®)の有効性に関する検討-患者満足度との関連
荻野敏
1
,
川内秀之
2
,
原田保
3
Satoshi Ogino
1
,
Hideyuki Kawauchi
2
,
Tamotsu Harada
3
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
2島根大学医学部耳鼻咽喉科
3川崎医科大学耳鼻咽喉科
pp.134-144
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201401134
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少量~中等量のスギ花粉飛散年であった2012年において本格飛散期の症状は,プランルカスト初期治療群では飛散期治療群(無治療群)に比べ,いずれの鼻眼症状も軽症化が認められた。QOL,労働生産性に与える影響も同様に,初期治療群は飛散期治療群に比べ障害程度は軽かった。いずれの治療群も満足度はかなり高かったが,患者の症状,QOLなどは初期療法のほうが障害は少なく,「満足している」,「やや満足している」と答えた群と「どちらともいえない」,「分からない」と回答した群を比較することにより症状,QOLの改善が患者満足度と関係する成績が得られた。以上の成績および今までの報告を含め考察すると,患者の満足度をあげるためには,良好な「医師-患者関係」をつくることを基本に,薬剤選択の際には「効果」「副作用」「薬価」を十分考慮し,それぞれの患者の希望を取り,総合的に行っていくことが重要と思われた。