原著
スギ花粉症に対するプランルカスト初期投与の有効性(第5報)-2010年,2011年の比較-
荻野敏
1
,
津田菜穂子
1
,
鈴木裕史
1
,
入船盛弘
2
,
菊守寛
3
,
馬場謙治
4
Satoshi Ogino
1
,
Naoko Tsuda
1
,
Hirofumi Suzuki
1
,
Morihiro Irifune
2
,
Hiroshi Kikumori
3
,
Kenji Baba
4
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
2いりふね耳鼻咽喉科
3菊守耳鼻咽喉科
4馬場耳鼻咽喉科
キーワード:
スギ花粉症
,
プランルカスト
,
QOL
,
初期治療
,
鼻眼症状
Keyword:
スギ花粉症
,
プランルカスト
,
QOL
,
初期治療
,
鼻眼症状
pp.102-112
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201301102
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2011年の花粉症に対するプランルカスト初期治療の検討において,初期治療群では花粉飛散前後で自覚症状の有意な悪化は認められず,無治療群(飛散期治療群)と比べ有意に軽い患者の割合が多かった。JRQLQによる評価では,初期治療群の花粉飛散前後でスコアの悪化は認められなかった。一方,無治療群は,日常生活・戸外活動・社会生活において,初期治療群(飛散後)に比べ有意にQOLスコアが悪かった。2010年と2011年の比較では,花粉飛散量に6倍の差があったが,飛散後の自覚症状は目のかゆみ以外全ての項目において2010年よりも花粉飛散量の多かった2011年で同等~軽い傾向がみられた。全てのJRQLQ領域において,2010年と2011年のスコアは同等であり,花粉飛散前後の変化も少なかった。 プランルカストの初期治療は花粉飛散量の多少にかかわらず,花粉症症状およびQOLの悪化を軽減させる成績が得られた。投与期間など更なる検討が必要であるが,花粉症に対して有効な治療法であることが確認された。