特集 好酸球性副鼻腔炎と周辺疾患
III.好酸球性副鼻腔炎による嗅覚障害への対応
太田康
1
Yasushi Ota
1
1東邦大学医学部耳鼻咽喉科学講座准教授
pp.30-36
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201501030
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好酸球性副鼻腔炎における嗅覚障害は,最も難治性の症状であり,また最も再発しやすい症状である。疾患の根本的な治療方法がない現状では,手術的治療と種々のステロイド治療を組み合わせて治療されるべきである。手術的治療においては,嗅粘膜への換気ルートをしっかりと確保することが大切である。ステロイド治療は,状況に応じてステロイドの鼻噴霧,点鼻,内服を使い分ける。重篤な症例ではステロイドの全身投与に頼るしかないのが現状であるが,副作用の問題もあり,長期間の投与にふみこめない。今後はステロイド全身投与の投与方法の確立が急務であると思われる。