特集 アレルゲン免疫療法~臨床の最前線~
序 ~アレルゲン免疫療法:治癒への可能性~
大久保公裕
1
Kimihiro Okubo
1
1日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野教授
pp.1037-1042
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201407009
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I 型アレルギー疾患の治療は抗原に応じた治療であるべきである。免疫療法は長期寛解や治癒を誘導でき,薬物使用頻度も減少するが,副作用の面から日本では一般的な治療にはなっていない。このため投与経路の改良として舌下免疫療法が最も実用化が近い方法となった。国際的には花粉症だけでなくダニアレルギーの治療にも使用でき,成人のみならず小児に対する安全性も確立され,高い有効性が報告されている。 スギ花粉症に対する舌下免疫療法は現在まで局所の違和感以外の副作用はなく,安全に行われている。有効性は,症状スコアを減少させ,薬物使用量を減少させ,また花粉症季節中のQOLの悪化を軽減する治療法であることが確かめられている。