特集 アレルゲン免疫療法~臨床の最前線~
I.アレルゲン免疫療法の作用機序の基礎
中尾篤人
1
Atsuhito Nakao
1
1山梨大学医学部免疫学講座教授
pp.1044-1049
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201407016
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アレルゲン免疫療法のメカニズムはこれまで謎に包まれていたが,近年その基礎研究が進展しブラックボックスが解き明かされつつある。とりわけアレルゲン特異的な制御性T細胞・B細胞が誘導されることがアレルゲン特異的なトレランスの誘導に重要な役割を果たしていることが見えてきた。アレルゲン免疫療法のメカニズムの解明は,アレルギーの治療だけでなく,可塑性をもち環境に応じ柔軟に変化する免疫のしくみを理解する端緒になり,自己免疫疾患や移植などの治療にも有用な情報をもたらすことから極めて重要な課題である。