特集 喘息の周辺疾患
II.Cough variant asthma
新実彰男
1
Akio Niimi
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 腫瘍・免疫内科学教授
pp.602-608
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201404020
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咳のみを症状とする喘息を意味するCough variant asthma(咳喘息)は,本邦における慢性咳嗽の最多の原因疾患である。喘鳴を伴う典型的喘息と同様の気道過敏性亢進,好酸球性気道炎症,気道リモデリング,アトピーといった病態生理学的特徴を喘息と比較して軽度ではあるが有する。咳の発現には軽度の気道攣縮が寄与しており,診断には気管支拡張薬の有効性確認が特異的所見であるが,診断確定後は吸入ステロイド薬を中心とする抗炎症治療を行う。吸入ステロイド治療により,約30%の患者にみられる典型的喘息への移行の頻度は減少する。