特集 IgEをめぐる諸問題 アップデート
Ⅱ.IgEと好塩基球
山西吉典
1
,
烏山一
2
Yoshinori Yamanishi
1
,
Hajime Karasuyama
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科免疫アレルギー学分野講師
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科免疫アレルギー学分野教授
pp.1630-1636
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201612024
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好塩基球は末梢血白血球の1%にも満たない希少な顆粒球で,その発見は130年以上前と古い。一方,高親和性IgE受容体を発現するなどマスト細胞と共通点を持つことから,好塩基球は「血中循環型マスト細胞」と揶揄され,その希少さ故に免疫学分野において積極的な研究対象となることは長らくなかった。しかし近年,新たに開発された画期的な解析ツールにより,マスト細胞とは異なる好塩基球固有の機能が次々と解明され,IgEの関与するアレルギー反応や寄生虫感染防御において,好塩基球が重要な役割を果たすことが明らかとなった。