特集 薬剤性肺障害の手引き
序 ~薬剤性肺障害の重要性~
久保惠嗣
1
,
花岡正幸
2
Keishi Kubo
1
,
Masayuki Hanaoka
2
1信州大学医学部内科学第一講座教授
2信州大学医学部内科学第一講座准教授
pp.341-346
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201303009
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2002年7月ゲフィチニブの上市とともに薬剤性肺障害の多発がみられ大きな社会問題となったが,本症を惹起しうる薬剤数は減少することなく増加傾向にある。頻度の増加のみならず,国際比較でわが国での発症頻度が非常に高い薬剤がみられる。さらに,mTOR阻害薬のように従来にない病態を呈する薬剤が出現している。本症の臨床病型は非常に多彩であり,かつ,ある薬剤が様々な臨床病型を呈する場合があり,本症の診断を困難にしている一要因となっている。さらに重要な点は,今後呼吸器内科以外の多くの分野で薬剤性肺障害が発症する可能性があることである。