Japanese
English
特集 性感染症におけるup to date
1.淋菌感染症におけるup to date
Up to date in gonococcal infections
安田満
1
Yasuda Mitsuru
1
1岐阜大学医学部附属病院泌尿器科 講師
キーワード:
淋菌
,
薬剤耐性
,
サーベイランス
,
セフトリアキソン
Keyword:
淋菌
,
薬剤耐性
,
サーベイランス
,
セフトリアキソン
pp.33-40
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201712033
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淋菌感染症は淋菌による感染症の総称であり,代表的疾患は淋菌性尿道炎と子宮頸管炎である。淋菌感染症は2002年頃をピークに減少しているが,2008年頃からは多少の増減はあるもののほぼ横ばいである。抗菌薬の適正使用のためには正確な診断が必要であり,淋菌の検出法として,鏡検法,培養検査および核酸増幅法検査がある。鏡検法は煩雑であるが,もっとも迅速であり感度も高く,培養法は薬剤感受性が併施でき,核酸増幅法検査のみがクラミジアを同時に検出できる。したがってベッドサイドで正確な診断が可能な鏡検法の施行が勧められる。すでに淋菌は各種抗菌薬に耐性を獲得している。わが国においても,ペニシリン,テトラサイクリン,キノロン,経口セファロスポリンやマクロライドの耐性率は高い。そのため現在,CTRX(セフトリアキソン)とSPCM(スペクチノマイシン)のみが推奨薬となっている。海外のガイドラインはCTRXとAZM(アジスロマイシン)のdual therapyが推奨されているが,synergy効果はなく,また各々の容量が少なく推奨できない。