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特集 感染症診療を変える新しい診断技術・検査法
3.臨床応用される注目の検査法 1)Verigeneシステム
Verigene system
大曲貴夫
1
Ohmagari Norio
1
1国立国際医療研究センター病院国際感染症センター センター長
キーワード:
全自動核酸増幅システム
,
PCR
,
敗血症
Keyword:
全自動核酸増幅システム
,
PCR
,
敗血症
pp.65-69
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201710065
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全自動核酸増幅システムは,患者の生検体もしくは培養途中の検体中の微生物の核酸を増幅することで,微生物名,抗微生物薬耐性,病原因子を決定する遺伝子の情報を検出する。短時間で結果が得られるため,病原微生物の診断過程を従来法よりも迅速に・高感度で・簡便に行える可能性がある。最適治療が迅速に開始されることで患者の予後を改善するばかりでなく,医療資源の適正使用を促すことで医療費の削減に貢献する可能性がある。Verigeneシステムはこのような全自動核酸増幅システムのひとつであり,欧米の医療現場ではすでに管理当局での審査を経て一般の臨床現場に導入されている。現時点では,敗血症患者の陽性化した血液培養を用いる方法,敗血症患者の全血検体を直接用いる方法が複数開発されており,加えて,呼吸器感染症,腸管感染症,Clostridium difficile感染症等の診断にも検討されている。