特集扉
蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
pp.33-33
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708033
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化学療法の領域 2017年8月号(Vol.33 No.8) 特 集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線 近年の新興・再興とその流行域の急速な拡大により,蚊媒介性ウイルス感染症は世界的規模で問題となっており,わが国でもこれまでにさまざまな輸入症例が報告されている。また,デング熱の流行は世界の熱帯・亜熱帯地域を中心に拡大しており,2014年にはわが国においても国内流行が発生した。 多くの蚊媒介性感染症が「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」で四類感染症に指定されているが,蚊媒介性感染症の発生動向には,ヒト,蚊,気候,環境等の要因が複雑にかかわり,流行状況の将来予測が困難であるため,その予防には疾病の理解が必須である。また,ワクチンも実用化されていないため,旅行先における流行状況を把握し,蚊対策を十分考慮すること,および医療機関,検疫所,地域住民,行政,研究機関の一層の協力体制の確立が求められる。 序 -蚊媒介性ウイルス感染症の流行地域の拡大- 1.ジカウイルス感染症 2.先天性ジカウイルス感染症の病理 3.デング熱 4.チクングニア熱 5.黄熱 6.日本脳炎 7.ウエストナイル熱/ウエストナイル脳炎 8.リフトバレー熱 9.カリフォルニア脳炎オルソブニヤウイルス感染症 10.蚊媒介性ウイルス感染症に対するワクチン開発の現状 11.フラビウイルス感染症に対する治療薬研究最前線 12.フラビウイルス感染症に対する診断法 13.アルボウイルス媒介蚊の生態とその防除法