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連載 私達の研究(172)
抗ウイルス薬テノホビルフマル酸による腎障害の軽減に向けた研究
The effect of tenofovir disoproxil fumarate on the kidney
西島健
1
,
潟永博之
2
,
岡慎一
3
Nishijima Takeshi
1
,
Gatanaga Hiroyuki
2
,
Oka Shinichi
3
1国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター
2国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター 治療開発室長
3国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター センター長
キーワード:
テノホビルフマル酸,HIV感染症,腎障害,尿細管障害,アジア人
Keyword:
テノホビルフマル酸,HIV感染症,腎障害,尿細管障害,アジア人
pp.165-172
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201707165
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テノホビルフマル酸(Tenofovir disoproxil fumarate:TDF)は3剤併用の抗HIV療法において主要な役割を占める薬剤であるが,尿細管障害に起因する腎障害・骨密度低下の有害事象が知られている。この有害事象は用量依存性に起こるため,低体重例の多い日本人・アジア人におけるHIV症例はTDF腎障害が起こりやすい。また,TDF内服開始後早期に測定した尿β2ミクログロブリンは腎機能予測のよいマーカーとなりうる。本稿ではTDF腎障害について概説するとともに,我々がTDF腎障害の軽減を目指して行った一連の研究を紹介する。