Japanese
English
特集 HIV感染症の流行はまだ続いている
1.抗HIV療法の最新の流れ
Current trend of antiretroviral therapy
柴田怜
1
,
岡慎一
2
Shibata Satoshi
1
,
Oka Shinichi
2
1国立国際医療研究センター病院エイズ治療・研究開発センター ACCフェロー
2国立国際医療研究センター病院エイズ治療・研究開発センター センター長
キーワード:
HIV
,
AIDS
,
ART
,
HAART
Keyword:
HIV
,
AIDS
,
ART
,
HAART
pp.26-32
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201605026
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1981年にはじめてAIDSが報告され,1987年には初の抗HIV薬であるAZT(zidovudine)が承認されたが,長らく予後は不良であった。1990年代後半にPI(プロテアーゼ阻害薬)を含む多剤併用療法(cART)の有効性が示されたが,服薬は煩雑であり,副作用も多く,CD4数が低値になるまで治療開始を遅らせる時代が続いた。その後,早期治療開始のメリットが明らかになり,より簡便で副作用の少ない治療薬が開発され,ガイドラインにおける治療開始基準は徐々に早期化している。米国では2012年に,2015年にはWHOでも,CD4数にかかわらず,すべてのHIV感染者に抗HIV療法を開始することが推奨された。