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連載 私達の研究(168)
原虫の特殊代謝経路を標的とした国際共同創薬研究
Bilateral collaboration on drug discovery against protozoan infections targeting parasite-specific metabolism
野崎智義
1
Nozaki Tomoyoshi
1
1国立感染症研究所寄生動物部 部長/筑波大学大学院生命環境研究科 教授
キーワード:
熱帯病,寄生虫,創薬,代謝,微生物資源
Keyword:
熱帯病,寄生虫,創薬,代謝,微生物資源
pp.102-109
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201703102
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原虫や寄生虫による感染症は,細菌・ウイルスによる感染症と同様に世界規模の重要な課題である。我々は,大腸に寄生し,腸炎・赤痢を起こす腸管寄生原虫である赤痢アメーバに関して幅広い研究を展開している。我々の研究の主要テーマは,① 病原機構,特に小胞輸送による病原因子の細胞内輸送と分泌機構ならびに貪食機構の解明,② 嫌気的適応進化におけるエネルギー合成系とミトコンドリアの代謝特殊進化の解明,③ ゲノム比較による病原機構の解明,④ 抗原虫薬の開発である。①~③ に関しては既出の邦文・英文の総説等に譲り1)~9),本稿では ④ の抗原虫創薬に関して,熱帯病,熱帯病に対する創薬の現状からはじめ,我々が展開中の2国間協力による新規プロジェクトについて概説したい。