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特集 国際的に脅威となる感染症
2.中東呼吸器症候群
Emerging infectious diseases-Middle East respiratory syndrome and avian influenza-
大曲貴夫
1
Ohmagari Norio
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター センター長
キーワード:
中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome)
Keyword:
中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome)
pp.32-38
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201702032
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2012年以降,中東では中東呼吸器症候群(MERS)が発生し,第二のSARS(重症急性呼吸器症候群)となる可能性が懸念されている。2015年には韓国でもアウトブレイクが発生し,WHOも介入する世界的な問題となった。本疾患が拡散したひとつの要因として,特にサウジアラビアを中心に医療関連感染として患者および医療従事者間で流行したことがあげられている。そればかりでなく,中東で曝露した者が飛行機を用いて,欧州,北米などに移動し,同地で発症する等の事態も起こっている。加えてラクダがMERSコロナウイルスを保有していることが明らかになってきており,ラクダの国境を越えた売買による本ウイルスを有するラクダの移動なども感染の伝播の観点から注目されている。