Japanese
English
特集 消化管感染症の発症メカニズム
5.腸炎ビブリオ
Vibrio parahaemolyticus
飯田哲也
1
Iida Tetsuya
1
1大阪大学微生物病研究所細菌感染分野 教授
キーワード:
腸炎ビブリオ
,
急性胃腸炎
,
ゲノム解析
,
3型分泌装置
,
エフェクター
Keyword:
腸炎ビブリオ
,
急性胃腸炎
,
ゲノム解析
,
3型分泌装置
,
エフェクター
pp.65-71
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201609065
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腸炎ビブリオは海産魚介類の摂食を通じてヒトに感染し急性胃腸炎を引き起こす。従来,本菌が産生する耐熱性溶血毒(TDH)およびTDH類似溶血毒(TRH)が本菌の主要な病原因子と考えられてきたが,ゲノム解析の結果,本菌のゲノム上に3型分泌装置(T3SS)遺伝子群が見出され,腸炎ビブリオの病原性研究に新たな展開がもたらされた。近年,腸炎ビブリオのT3SSについての解析が急速に進んでおり,本菌の病原性に関する新知見が得られつつある。最近,クライオ電子顕微鏡を用いた3型分泌エフェクターとFアクチンの結合様式の解析から,腸炎ビブリオによる下痢発症の新しいメカニズムの一端が提唱された。