Japanese
English
特集 消化管感染症の発症メカニズム
4.サルモネラ腸炎の発症機構
Molecular mechanisms of Salmonella diarrhrea
岡田信彦
1
,
羽田健
2
Okada Nobuhiko
1
,
Haneda Takeshi
2
1北里大学薬学部微生物学 教授
2北里大学薬学部微生物学 講師
キーワード:
サルモネラ腸炎
,
マウス腸炎モデル
,
Ⅲ型エフェクター
,
炎症反応
Keyword:
サルモネラ腸炎
,
マウス腸炎モデル
,
Ⅲ型エフェクター
,
炎症反応
pp.55-64
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201609055
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食中毒の原因菌である非チフス型サルモネラは,腸管粘膜上皮細胞に侵入後,上皮下の固有層に達し増殖することで胃腸炎(下痢症)を引き起こす。サルモネラは高度に機能分化した2つのⅢ型分泌装置を用いてエフェクター分子(Ⅲ型エフェクター)を分泌し,腸管粘膜における炎症反応を制御することで感染を成立させる。サルモネラⅢ型エフェクターの機能は多種多様であるが,一部のエフェクターは感染にともない誘導される生体防御機構としての炎症反応を制御することで感染を有利に進めていく。本稿ではネズミチフス菌の感染により惹起されるサルモネラ腸炎の発症機構について,Ⅲ型エフェクターとの関連で紹介する。