Japanese
English
特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅱ 臨床 1.カンジダのキャンディン系薬耐性機序とリスク因子,治療戦略
Mechanisms and risk factors of echinocandin resistance in Candida species and therapeutic strategies
宮崎泰可
1
Miyazaki Taiga
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座臨床感染症学 講師
キーワード:
Candida glabrata
,
キャンディン系
,
β1,3-Dグルカン合成酵素
,
FKS遺伝子
,
ミカファンギン
,
カスポファンギン
Keyword:
Candida glabrata
,
キャンディン系
,
β1,3-Dグルカン合成酵素
,
FKS遺伝子
,
ミカファンギン
,
カスポファンギン
pp.65-73
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607065
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キャンディン系薬は侵襲性カンジダ症治療薬のファーストラインに位置づけられ,予防や経験的治療も含め,現在頻用されている抗真菌薬である。しかし近年,米国ではキャンディン耐性株が増加傾向にあると報告されており,特にCandida glabrataではアゾール系およびキャンディン系の両系統に耐性を示す株も増加している。キャンディン系薬の標的分子であるβ1,3-Dグルカン合成酵素をコードしているFKS遺伝子の変異が主要な耐性機序であり,キャンディン系薬への曝露歴がFKS変異の誘導およびキャンディン系薬による治療失敗のリスク因子として知られている。耐性菌の増加を抑制するためにはキャンディン系薬の適正使用に努める必要がある。