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特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅰ 基礎 5.深在性真菌症治療における抗真菌薬PK-PDの重要性
The importance of PK-PD of the antifungal drugs to deep seated mycosis
中嶋一彦
1
,
竹末芳生
2
Nakajima Kazuhiko
1
,
Takesue Yoshio
2
1兵庫医科大学感染制御部 講師
2兵庫医科大学感染制御学 主任教授
キーワード:
抗真菌薬
,
PK-PD
,
バイオアベイアビリティー
,
TDM
Keyword:
抗真菌薬
,
PK-PD
,
バイオアベイアビリティー
,
TDM
pp.56-63
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607056
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深在性真菌症の不適切な治療は予後に影響を及ぼす。治療には適切な抗真菌薬の選択もさることながら,抗真菌薬の体内での動態を示すpharmacokinetics(PK:薬物動態学)と,濃度と治療効果を示すpharmacodynamics(PD:薬力学)をふまえた用法・用量の投与設計が重要である。これらを組み合わせたPK-PDのパラメータは,ポリエン系,キャンディン系はCmax/MIC(maximum blood concentration/minimum inhibitory concentration:最高血中濃度/最小発育阻止濃度),トリアゾール系はAUC(area under the blood concentration-time curve:血中濃度-時間曲線下面積)/MIC,フルシトシン(5-FC)はTime above MIC(TAM)である。PK-PDのパラメータのほか,効果に関与する因子として,バイオアベイアビリティーや組織への移行性も考慮して抗真菌薬の選択を行う。ボリコナゾール(VRCZ)に関しては,有効血中濃度の確保,副作用発現防止の必要性からもtherapeutic drug monitoring(TDM)を行う。しかし現状では,VRCZのTDMは,月に1回,入院でのみ特定薬剤治療管理料算定が可能である。