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特集 バイオフィルム研究の最前線
Ⅱ 食品・農学 1.食品関連微生物が形成するバイオフィルムの制御と利用
Control and application of biofilms formed by food related microorganisms
森永康
1
,
平山悟
2
,
太田瑛美
3
,
栁原希枝子
2
,
古川壮一
3
Morinaga Yasushi
1
,
Hirayama Satoru
2
,
Ota Emi
3
,
Yanagihara Kieko
2
,
Furukawa Soichi
3
1日本大学生物資源科学部食品生命学科 教授
2日本大学生物資源科学部食品生命学科
3日本大学生物資源科学部食品生命学科 准教授
キーワード:
バイオフィルム
,
食品微生物
,
酵母
,
乳酸菌
Keyword:
バイオフィルム
,
食品微生物
,
酵母
,
乳酸菌
pp.78-87
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201511078
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食品の微生物汚染源として問題となるバイオフィルムの制御技術は,産業上,重要である。我々は,食品添加物のショ糖脂肪酸エステルや,ある種の香辛料がバイオフィルム阻害活性を有することや,アミノ酸のL-トリプトファンが大腸菌の形成したバイオフィルムを崩壊させることを見出し,それらの作用機序を解析している。一方,これまで,バイオフィルムの食品分野での利用例はあまり知られていない。我々は,伝統発酵の主役である乳酸菌と酵母を共培養すると,両菌の細胞同士が接着して特異な構造をもつ複合バイオフィルムを形成する組み合わせがあることを見出し,複合バイオフィルムの形成機序を解析するとともに,固定化菌体としてアルコール発酵への利用を試みている。