Japanese
English
特集 感染症ワクチンの現状と将来
7.粘膜免疫とワクチン開発
Mucosal immunity and development of oral vaccine
鹿島光司
1
,
竹山夏実
1
,
幸義和
2
,
清野宏
3
Kashima Koji
1
,
Takeyama Natsumi
1
,
Yuki Yoshikazu
2
,
Kiyono Hiroshi
3
1東京大学医科学研究所炎症免疫学分野客員研究員
2東京大学医科学研究所炎症免疫学分野特別研究員
3東京大学医科学研究所炎症免疫学分野教授
キーワード:
経口ワクチン
,
粘膜免疫
,
MucoRice-CTB
Keyword:
経口ワクチン
,
粘膜免疫
,
MucoRice-CTB
pp.84-92
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201606084
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粘膜免疫は,粘膜上のみならず全身に免疫を惹起できるため,この機構を利用したワクチン「粘膜ワクチン」の基盤研究と開発が進んでいる。現在開発中の経口で投与できるⅨ型粘膜ワクチン「MucoRice-CTB」は,腸への有効物質の確実な到達を可能にし,コレラおよび交叉免疫となりうる旅行者下痢症をターゲットとしている。MucoRice-CTBは,コールドチェーン(冷蔵輸送設備)フリー・注射筒・針不要であり,マウス,サル,ブタにおいて免疫誘導が確認され,コレラトキシンに対する防御効果も確認された。MucoRice-CTBは製造の際にイネを栽培するという工程を経るが,GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造基準)対応の閉鎖型栽培施設にて製造され,GMPで管理されている。