Japanese
English
特集 感染症ワクチンの現状と将来
5.小児科領域のワクチンと問題点-多価混合ワクチン-
Polyvalent combination vaccines
中山哲夫
1
Nakayama Tetsuo
1
1北里生命科学研究所ウイルス感染制御Ⅰ教授
キーワード:
多価混合ワクチン
,
DTaP/IPV
,
Hib
,
PCV
,
MMRV
Keyword:
多価混合ワクチン
,
DTaP/IPV
,
Hib
,
PCV
,
MMRV
pp.66-73
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201606066
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インフルエンザ桿菌b型(Hib),肺炎球菌ワクチン(PCV),不活化ポリオワクチン(IPV)が新たに認可され,小児期の予防接種のスケジュールが煩雑になってきた。多価混合ワクチンは予防接種のスケジュールを簡素化することで小児へのストレスを減少させ,接種漏れ,誤接種を避けることができる。一般的に,同時接種や多価混合化することで発熱等の副反応出現率は増加する。免疫原性については混合化することで,百日咳PT抗体,PRP抗体,ポリオ中和抗体,B型肝炎ウイルス抗体は単味接種後に比べて低値を示す傾向にあるが,追加接種後には差が認められなくなる。免疫原性の変化は,保存剤,結合タンパクの組み合わせ,アジュバントとの結合性等の検討が必要になる。わが国でもDTaP/IPV(ジフテリア・破傷風・百日咳+不活化ポリオ四種混合)ワクチンをベースに混合ワクチンの開発が進んでいる。