Japanese
English
連載 私達の研究(154)
アピコンプレクサ生物におけるカルシウム・シグナリングと植物ホルモン
Calcium signaling and production of plant hormones in Apicomplexan parasites
松原立真
1
,
永宗喜三郎
2
Matsubara Ryuma
1
,
Nagamune Kisaburo
2
1国立感染症研究所・寄生動物部/筑波大学大学院・生命環境科学研究科
2国立感染症研究所・寄生動物部 室長/筑波大学生命環境系 准教授
キーワード:
トキソプラズマ,マラリア,カルシウム,植物ホルモン,アブシジン酸,サリチル酸
Keyword:
トキソプラズマ,マラリア,カルシウム,植物ホルモン,アブシジン酸,サリチル酸
pp.117-126
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601117
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
アピコンプレクサに属する生物には,トキソプラズマやマラリア原虫など,人類にとって大きな問題となる病原体が含まれる。アピコンプレクサ生物の細胞内シグナリングは植物との類似性がしばしば指摘される。また最近,これらの生物はアブシジン酸やサリチル酸など植物ホルモンを産生していることが明らかとなってきた。本稿では,アピコンプレクサの細胞内シグナリングの一例としてカルシウム・シグナリングを取り上げ,植物との類似性を考察する。また,アピコンプレクサ生物が産生する植物ホルモンの例として,トキソプラズマのアブシジン酸とマラリア原虫のサリチル酸を取り上げ,それらのホルモンの原虫の増殖や病原性発現への役割を解説する。