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連載 私達の研究(150)
付着緑膿菌の抗菌薬抵抗性
Antibiotic tolerance of adherent Pseudomonas aeruginosa
三宅洋一郎
1
,
村上圭史
2
Miyake Yoichiro
1
,
Murakami Keiji
2
1徳島大学大学院医歯薬学研究部・口腔微生物学分野 教授
2徳島大学大学院医歯薬学研究部・口腔微生物学分野 助教
キーワード:
緑膿菌,抗菌薬抵抗性,細菌付着
Keyword:
緑膿菌,抗菌薬抵抗性,細菌付着
pp.120-125
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509120
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高濃度の抗菌薬存在下で増殖はできないが,一部の細胞が生き残ることができる細菌の能力を抗菌薬抵抗性と呼んでいる。特に何らかの固体表面に付着した細菌で,この現象が顕著にみられるため,緑膿菌を用いてそのメカニズムの検討を行っている。その結果,いくつかの遺伝子の関与が示されたが,一部では重なりが見えるものの,浮遊時,付着時およびバイオフィルム形成時でそれぞれ異なった遺伝子が抗菌薬抵抗性に関与していると考えられた。また,この付着細菌の抗菌薬抵抗性は慢性呼吸器感染症の抗菌化学療法の効果に影響を与えることが示唆された。この抗菌薬抵抗性は化学療法における新たなターゲットとなる可能性もある。