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連載 私達の研究(145)
ボルナ病ウイルス感染症の病態研究
Studies on pathogenesis of Borna disease virus
本田知之
1
,
朝長啓造
2
Honda Tomoyuki
1
,
Tomonaga Keizo
2
1京都大学ウイルス研究所ヒトがんウイルス研究分野 助教
2京都大学ウイルス研究所ヒトがんウイルス研究分野 教授
キーワード:
ボルナ病ウイルス,RNAウイルス,中枢神経系疾患,持続感染
Keyword:
ボルナ病ウイルス,RNAウイルス,中枢神経系疾患,持続感染
pp.114-121
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201504114
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ボルナ病ウイルス(Borna disease virus:BDV)は非分節一本鎖マイナス鎖RNAをゲノムにもつウイルスである。BDVは神経組織に強い指向性をもち,中枢神経系に持続感染する。その結果,自然感染した動物では,致死性脳炎から軽微な神経症状まで,さまざまな神経症状を呈することが明らかとなっている。ところが,BDV感染による病原性発現の分子メカニズムについてはいまだ不明な点が多い。本稿では,BDV感染による病原性発現機構について最新の知見を交えながら,筆者らの研究について紹介する。