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連載 私達の研究(133)
RSウイルス感染症の病態
Pathogenesis of respiratory syncytial virus infection
堤裕幸
1
,
要藤裕孝
2
Tsutsumi Hiroyuki
1
,
Yoto Yuko
2
1札幌医科大学小児科 教授
2札幌医科大学小児科 准教授
キーワード:
RSウイルス,RSウイルス細気管支炎,自然免疫,タイト結合
Keyword:
RSウイルス,RSウイルス細気管支炎,自然免疫,タイト結合
pp.108-114
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201404108
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RSウイルス(RSV)感染症は乳幼児期におけるもっとも頻度の高い普遍的な呼吸器感染症である。ときに下気道炎を起こして重症化し,毎年,わが国で2万人前後の乳幼児が入院加療を受ける。その中心的な病型は細気管支炎である。急性期の病態を形成するのはRSVによる組織障害と,RSVの感染に対応する種々の自然免疫応答があわさったものと考えられる。それら自然免疫の応答は最終的には感染の排除,克服につながると考えられる。自然免疫のひとつとして,ウイルスの侵入をブロックするのが細胞間のタイト結合である。このタイト結合はRSV感染に対しても防御に働くものの,RSVが侵入した細胞においては,いくつかのタイト結合がむしろ誘導・増強されることも明らかとなった。