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特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
3.化学療法剤の体内動態を決定する肝臓の薬物トランスポーター
Hepatic drug transporters determining the pharmacokinetics of chemotherapeutics
前田和哉
1
,
楠原洋之
2
Maeda Kazuya
1
,
Kusuhara Hiroyuki
2
1東京大学大学院薬学系研究科分子薬物動態学教室 講師
2東京大学大学院薬学系研究科分子薬物動態学教室 教授
キーワード:
Organic anion transporting polypeptide(OATP)
,
薬物相互作用
,
遺伝子多型
,
Multidrug resistance-associated protein(MRP)2
Keyword:
Organic anion transporting polypeptide(OATP)
,
薬物相互作用
,
遺伝子多型
,
Multidrug resistance-associated protein(MRP)2
pp.50-60
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503050
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肝実質細胞には種々の代謝酵素と並び,複数の取り込み/排出トランスポーターが発現しており,効率よい膜透過を通じて異物解毒全体の効率化に寄与している。これらトランスポーターの基質認識性はきわめて広範であり,数多くの化学療法剤についてもトランスポーターを介した輸送が肝クリアランスの決定要因になっている事例が報告されてきた。トランスポーターの発現・機能は遺伝子多型や薬物相互作用など複数の要因によって変動し,ひいては基質薬物の体内動態の変動・個人差につながる。本稿ではおもに,化学療法剤の薬物動態・薬効・副作用の変動がトランスポーターによる輸送機能の変動と関連する臨床事例を取り上げ,トランスポーターの重要性について概説する。