Japanese
English
特集 超高齢化社会における高齢者感染症の特徴と課題
2.感染症を中心とした今後の高齢者医療における医療機関のあり方
Medical institutions in the era of hyper-geriatric society focusing on infectious diseases
山本舜悟
1
Yamamoto Shungo
1
1京都大学大学院医療疫学/神戸大学感染症内科
キーワード:
超高齢社会
,
高齢者の感染症
,
予防接種
,
終末期医療
Keyword:
超高齢社会
,
高齢者の感染症
,
予防接種
,
終末期医療
pp.32-36
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201409032
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超高齢社会を迎えたわが国では高齢者に対する医療の必要性が増している。高齢者は若年者に比べて,感染症の罹患率,死亡率ともに高い。高齢者は併存疾患が多く,感染症だけを診ていても問題が解決しにくく,臓器の区別によらず診療を行う,いわゆる総合医の必要性が高くなっている。高齢者は若年者に比べて症状が出にくく,感染症に罹患しても診断が遅れがちであることや,起因菌が多岐にわたることに注意を要する。加齢による腎機能低下のために腎排泄型の抗菌薬を処方する際には調節が必要である。予防は治療に優るため,肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンも重要である。また,終末期医療における抗菌薬の利益は限定的であることを認識しておくべきである。