Japanese
English
特集 敗血症ショックの新たな理解と集学的治療法
I 基礎 5.抗菌ペプチドによる敗血症ショックの制御
Regulation of septic shock by endogenous antimicrobial peptides
長岡功
1
,
胡忠双
2
,
鈴木香
2
,
田村弘志
3
Nagaoka Isao
1
,
Hu Zhongshuang
2
,
Suzuki Kaori
2
,
Tamura Hiroshi
3
1順天堂大学大学院医学研究科生化学・生体防御学 教授
2順天堂大学大学院医学研究科生化学・生体防御学
3順天堂大学大学院医学研究科生化学・生体防御学/LPS(Laboratory Program Support)コンサルティング事務所
キーワード:
抗菌ペプチド
,
Cathelicidin
,
敗血症ショック
,
細胞死
,
ピロトーシス
Keyword:
抗菌ペプチド
,
Cathelicidin
,
敗血症ショック
,
細胞死
,
ピロトーシス
pp.59-67
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201404059
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真核細胞が産生するデフェンシンやcathelicidinファミリーの抗菌ペプチドは生体を微生物感染から守るために働いている。敗血症の病態では宿主細胞の細胞死が重要な役割を果たすことがわかっているが,我々は最近,敗血症においてヒトcathelicidinであるLL-37(ロイシン・ロイシン37)がピロトーシスやアポトーシスなどの宿主細胞の細胞死を抑制することによって敗血症の病態を改善することを見出した。今後,LL-37のような抗菌ペプチドをもとに宿主細胞の細胞死を制御することによって敗血症の治療に応用可能な新たな化学療法剤の開発が期待される。