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小特集 インフルエンザ診療最前線
1.インフルエンザ治療における問題点と日本感染症学会提言の意義
Clinical problems on flu treatment and the proposal from the Japanese Association for Infectious Diseases
三鴨廣繁
1
Mikamo Hiroshige
1
1愛知医科大学大学院医学研究科・臨床感染症学 主任教授/愛知医科大学病院・感染症科 部長/愛知医科大学病院・感染制御部・感染管理室 部長/愛知医科大学病院・感染制御部・微生物検査室 部長
キーワード:
インフルエンザ
,
日本感染症学会
,
H1N1
,
鳥インフルエンザ
,
H7N9
,
ペラミビル
Keyword:
インフルエンザ
,
日本感染症学会
,
H1N1
,
鳥インフルエンザ
,
H7N9
,
ペラミビル
pp.87-94
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201312087
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日本感染症学会は2009年のインフルエンザA(H1N1)パンデミック以来,インフルエンザ診療に関するいくつかの提言を発表してきた。最初の提言は,A(H1N1)2009には抗インフルエンザ薬による治療が有効であることを明示したもので,死亡率の抑制に貢献した。また,2010年1月には「抗インフルエンザ薬の使用適応について」,わが国で唯一の学会による治療指針を発表し,2012年8月には積極的な抗インフルエンザ薬の予防投与を啓発するため「インフルエンザ病院感染対策の考え方について」を発表した。最近では中国での鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトへの感染報告が相次いだことを受け,新たな提言を発表したところである。本稿では,パンデミックから得た教訓をもとに,現在のインフルエンザ診療体制を見直すと同時に,社団法人日本感染症学会の果たしてきた役割,今後果たすべき役割についてまとめる。また,ハイリスク患者に対する点滴薬ペラミビルの有効性を検証した臨床試験についても中間報告する。