Japanese
English
特集 嫌気性菌感染症の基礎と臨床
I 基礎 3.腸内常在の嫌気性菌
Anaerobes in gastrointestinal microbial flora
後藤隆次
1
Goto Takatsugu
1
1岐阜大学生命科学総合研究支援センター嫌気性菌研究分野 助教
キーワード:
腸内細菌
,
嫌気性菌
,
メタゲノム解析
,
役割
,
疾患
Keyword:
腸内細菌
,
嫌気性菌
,
メタゲノム解析
,
役割
,
疾患
pp.52-58
発行日 2013年9月25日
Published Date 2013/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201310052
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近年のメタゲノム解析などの分子生物学的手法の進歩により,ヒト腸内細菌叢の研究も著しく進展した。腸内に生息する細菌の種類や構成を,培養不能菌も含めて丸ごと解析できるようになってきたからである。これにより,嫌気性菌は腸内で圧倒的に優占であることが再認識された。腸内細菌は通常は,病原微生物の増殖抑制や食物の消化・吸収補助,栄養源の供給,免疫への貢献など宿主と良好な関係を保っているが,腸内細菌叢が乱れるとさまざまな疾患に直結する。近年の解析手法の発達により疾患(炎症性腸疾患や糖尿病,肥満など)と腸内細菌叢の組成変化との関連性を示すデータも蓄積されつつあり,新たな疾患予防策や治療法の開発が期待されている。