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特集 嫌気性菌感染症の基礎と臨床
I 基礎 1.嫌気性菌の分類:嫌気性モノダームと嫌気性ディダーム
Classification of Anaerobes:anaerobic monoderms and diderms
渡邉邦友
1
Watanabe Kunitomo
1
1岐阜大学 名誉教授/元・岐阜大学生命科学総合研究支援センター嫌気性菌研究分野 教授
キーワード:
嫌気性菌
,
系統分類
,
モノダーム
,
ディダーム
,
グラム染色
,
細菌の進化
,
Clostridium-like organisms
Keyword:
嫌気性菌
,
系統分類
,
モノダーム
,
ディダーム
,
グラム染色
,
細菌の進化
,
Clostridium-like organisms
pp.25-36
発行日 2013年9月25日
Published Date 2013/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201310025
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複数菌感染症の病巣から分離される嫌気性菌はすでに50属を超え,それらを属レベルで把握することは困難な状況となった。また細菌の分類学は,芽胞形成性,Gram染色性などの細菌の特性を基準にした類型分類から,16S rRNA phylogenyを基準とした系統分類へと移行しつつある。本稿では,系統分類の普及により明らかとなった新情報である細菌細胞エンベロップ構造の新定義(モノダームとディダーム)の提案,そして細菌の新進化論の提案などを考慮して,臨床検体から分離される嫌気性菌を系統分類のより高次のランク(綱)で,Coriobacteriia,Actinobacteriia,Clostridia,Erysipelotrichia,Bacilli(以上,モノダーム:グラム陽性),そして,Negativicutes(Firmicutes diderms),Fusobacteria,Synergistia,Spirochaetia,Bacteroidia,ε-Proteobacteria,Δ-Proteobacteria,β-Proteobacteria,γ-Proteobacteria(以上,ディダーム:グラム陰性)の14グループで俯瞰的に見る方法を紹介する。また,再分類が進んでいるClostridiaとErysipelotrichiaの2綱に分類される臨床的に重要な“Clostridium-like organisms”についての最新情報を紹介する。