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特集 嫌気性菌感染症の基礎と臨床
I 基礎 4.嫌気性菌血症 -血液培養から分離される嫌気性菌-
Anaerobic bacteremia -Anaerobic bacteria isolated from blood culture-
矢口勇治
1
,
坂上武文
2
,
野竹重幸
3
,
村松紘一
4
,
柳沢英二
5
Yaguchi Yuji
1
,
Sakanoue Takefumi
2
,
Notake Shigeyuki
3
,
Muramatsu Koichi
4
,
Yanagisawa Hideji
5
1株式会社ミロクメディカルラボラトリー 検査部係長
2株式会社ミロクメディカルラボラトリー 検査部主任
3株式会社ミロクメディカルラボラトリー 代表取締役部長
4株式会社ミロクメディカルラボラトリー 技術顧問
5株式会社ミロクメディカルラボラトリー 代表取締役社長
キーワード:
嫌気性菌血症
,
内因性感染症
,
Bacteroides fragilis group
,
Clostridium perfringens
Keyword:
嫌気性菌血症
,
内因性感染症
,
Bacteroides fragilis group
,
Clostridium perfringens
pp.59-66
発行日 2013年9月25日
Published Date 2013/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201310059
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血液培養から分離された嫌気性菌について,最近9年間の株式会社ミロクメディカルラボラトリー(以下,当施設と略す)における分離成績と嫌気性菌血症の頻度,分離される主要菌種などについて述べた。嫌気性菌血症の頻度は,患者背景,臨床医の嫌気性菌血症に対する認識,検査室の細菌学的な検査能力によって左右される。当施設における血液培養からの嫌気性菌の分離頻度は4~5%台で年次推移しており,9年間の合計では4.8%であった。また菌種別の分離頻度では,Bacteroides fragilis groupが44.3%を占め,次いでClostridiumが35.0%(Clostridium perfringens:23.5%)であった。嫌気性菌血症では原因となる嫌気性菌の分離と,薬剤感受性試験に基づく抗菌薬の選択投与が患者の予後にとって非常に重要であり,血液培養から分離される主要な嫌気性菌の疫学的な情報は嫌気性菌血症患者の治療方針を決定するための重要な要素である。