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連載 私達の研究(126)
Candida albicans のバイオフィルムとmild heat stress
Mild heat stress in Candida albicans biofilm
長環
1
Cho Tamaki
1
1福岡歯科大学口腔歯学部感染生物学分野 准教授
キーワード:
Candida albicans,二(多)形性,形態変換,温度,mild heat stress
Keyword:
Candida albicans,二(多)形性,形態変換,温度,mild heat stress
pp.106-112
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201309106
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ヒト常在病原真菌Candida albicansはさまざまな環境因子の影響を受けて,酵母・菌糸形の形態変換を自在に誘導して環境に適応する。このユニークな特徴はカテーテルなどの医療器具表面に形成される強固な構造のバイオフィルムとして表れる。ヒト体温下(37℃)でのバイオフィルム形成に影響を与えない低濃度抗真菌薬を共存させ,温度を37℃から39℃(mild heat stress)に変化して培養すると,低濃度の抗真菌薬でもバイオフィルム形成を抑制した。特に細胞壁合成酵素を標的とするミカファンギンではmild heat stress効果が顕著であった。温度は感染時に宿主と病原体の両方に影響を与える重要な因子である。感染症におけるmild heat stressの利用という新しい試みを紹介する。