連載 目で見る真菌と真菌症(21)
診断・治療法から見た大切な真菌症
3.血清診断の読み方
吉田耕一郎
1
Yoshida Koichiro
1
1近畿大学医学部附属病院安全管理部感染対策室 教授
pp.4-11
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201308004
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深在性真菌症は宿主の状態や病態の特殊性から積極的に侵襲的検査を施行できず,早期に確定診断が得られない症例も多い。このような場合,血清診断法を応用して早期に深在性真菌症を臨床診断し治療開始に結びつけることは,診療上,有利である。しかし,血清診断法の検査結果には偽陽性や偽陰性がみられることも少なくない。真菌の種によりキットの反応性が異なることもあるため,得られた検査結果は慎重に評価する必要がある。深在性真菌症血清診断法の結果のみを材料として重要な臨床判断を行うべきではない。血清診断法は深在性真菌症の補助診断法のひとつとして認識し,総合的に臨床判断を行うことが重要である。