Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
5.皮膚科医のための臨床トピックス
全国の医療レセプトデータを用いたアトピー性皮膚炎症状の変化に関する基礎的検討
Preliminary research on changes in atopic dermatitis symptoms using nationwide health insurance claim data
山中 菜詩
1
,
永井 克彦
2
,
川瀬 善一郎
3
,
梅村 朋弘
1
,
成定 明彦
4
,
鈴木 孝太
1,4
Nauta YAMANAKA
1
,
Katsuhiko NAGAI
2
,
Zen-Ichiroh KAWASE
3
,
Tomohiro UMEMURA
1
,
Akihiko NARISADA
4
,
Kohta SUZUKI
1,4
1愛知医科大学医学部衛生学講座
2株式会社JMDC
3一般財団法人日本気象協会
4愛知医科大学産業保健科学センター
1Department of Health and Psychosocial Medicine, Aichi Medical University School of Medicine, Nagakute, Japan
2JMDC Inc., Tokyo, Japan
3Japan Weather Association, Tokyo, Japan
4Institute for Occupational Health Science, Aichi Medical University, Nagakute, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
医療レセプトデータ
,
気象データ
,
季節性
,
気象病
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
医療レセプトデータ
,
気象データ
,
季節性
,
気象病
pp.149-152
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206989
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
アトピー性皮膚炎症状の変化に関わる気象等の要因を検討するため,(株)JMDCが保有する医療レセプトデータと(一財)日本気象協会保有の気象データを用いて基礎的検討を行った.2019年の医療レセプトデータに登録されている,全国の0歳以上75歳未満(7,309,659人)から,ステロイド外用薬が処方され,薬剤ランクで重症化と定義された患者について,その発生傾向を時系列で分析した.さらに,関東地方に限定し,重症化と気象の関係を分析した.アトピー性皮膚炎における重症化の割合は,男女ともに10歳未満に多い傾向だった.月別では,7月が多く,1,2月が少なかった.関東地方における気象要素との関連性は,1〜9月に気温と正の,10〜3月は湿度と負の相関がみられた.アトピー性皮膚炎症状の変化とそれに影響する気象等の要因を分析するためには,10歳未満とそれ以外で層化する,あるいは,3か月ごとに層化し季節性を考慮する必要性などが示唆された.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.