連載 目で見る真菌と真菌症(18)
診療科・基礎疾患から見た大切な真菌症 13.旅行医学から見た真菌症
渡辺哲
1
Watanabe Akira
1
1千葉大学医学部附属病院感染症管理治療部/千葉大学真菌医学研究センター 助教
pp.4-13
発行日 2013年4月25日
Published Date 2013/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201305004
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近年の交通網の発達にともない,海外への渡航者・来日する外国人が増加している。それを背景に症例数が増加しているのが輸入真菌症である。輸入真菌症とは,本来,わが国内に棲息しない真菌を原因菌とし,流行地への渡航,もしくは居住により感染し,日本国内で発病もしくは診断されたものを指す1)。通常の深在性真菌症と異なり,輸入真菌症の原因菌は健常人にも容易に感染することを念頭におかなければならない(マルネッフェイ型ペニシリウム症等を除く)2)