連載 目で見る真菌と真菌症(14)
診療科・基礎疾患から見た大切な真菌症 9.医療施設内の感染制御
亀井克彦
1
,
渡辺哲
2
Kamei Katsuhiko
1
,
Watanabe Akira
2
1千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野 教授
2千葉大学医学部附属病院感染症管理治療部 助教
pp.3-10
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201301003
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日和見感染の代表として,もっぱらホストの免疫能が注目される深在性真菌症であるが,医療施設内に生息する真菌によって感染する機会も多いと考えられる。もともと真菌は建物などに定着・増殖し,空気中に浮遊する性質が強いが,医療施設ではアスペルギルス等を中心に,屋根裏や空調,水周りなどに多く生息し感染の機会をうかがっている。HEPA(高性能粒子除去)フィルターを始めとする対策がとられているものの,ひとつ管理を誤ると深刻なアウトブレイクの危険性もあり,機器の管理や症例数のモニタリングなど,日頃から慎重な対応が求められる。