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特集 ワクチン対策の現状と課題
9.HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
Human papillomavirus vaccine
今野良
1
Konno Ryo
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科 教授
キーワード:
子宮頸がん
,
ヒトパピローマウイルス
,
ワクチン
Keyword:
子宮頸がん
,
ヒトパピローマウイルス
,
ワクチン
pp.94-102
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201302094
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日本人が死亡する原因の第1位はがんだが,子宮頸がんは女性特有のがんとしては乳がんに次いで多く,30歳代ではもっとも多いがんである。毎年15,000人が子宮頸がんと診断され,約3,500人,すなわち1日に10人が亡くなっている。世界では毎年50万人が罹患するが,その半数はアジア諸国の患者である。子宮頸がんには精度の高い細胞診という検診方法があり,二次予防としてわが国では50年以上の歴史をもっている。そこに,子宮頸がんの原因であるHPV(human papillomavirus)の感染予防ワクチンが一次予防として登場した。本稿ではHPVワクチンに関して,主として子宮頸がん予防の観点から概説する。紙面の関係で子宮頸がんおよびHPVに関する詳細は本稿で十分に記載することはできない。ぜひ,小著(知っておきたい子宮頸がん診療ハンドブック)1)をご参照いただきたい。